この季節になると、漢方薬のテレビCMが増える。
特に多いのが「風邪=葛根湯」という感じのもののように思う。
葛根湯は主に風邪薬という印象があるが、風邪をひいたら葛根湯を飲みなさいという感じでのものではなく、風邪の引き始めなどに現れる症状についてこれが良いと書いてあるので当てはまっているという感じである。
原文は「太陽病、項背強几々、無汗悪風者、葛根湯之主」(傷寒論)となっている。
つまり「項、背あたりが強張り、汗が出なくて悪寒がする人は葛根湯がよい」ということである。
この症状が風邪の初期にでやすいものであるので葛根湯を処方されるのである。
また、項や背中の強張り=肩こりという感じで肩こりの際に処方されることもある。
つきつめていけば漢方薬というものは奥深いので勉強をはじめれば大変であるが、古典を読んでいくと、どうしても傷寒論は読むことになり、鍼灸とのちがいを知ることにもなる。
時代が違うので当然生活環境も異なり、どこまで古典の理論が通用するのかを疑問視する人もたくさんいるが、人体というひとつの生き物としてみた場合それほどの違いはないかと思う。
よって、症状に対しての論理というのは現代にも十分活きるのではなかろうかと思っている。
徳見
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